日銀ショック 高安1,080円幅の大往来 金融政策現状維持決定を受け千円の棒下げ商状


米国市場はまちまち。
原油の戻りと米FOMC結果も予想通りの利上げ見送りの結果を受けてほぼ無風通過。
声明でも緩和的な文言を入れながら利上げに慎重な姿勢を示唆。
それでも6月の利上げ実施の可能性を含ませながら布石を打ったとも見え、目先の利上げ懸念を後退させながらマーケットと対話に腐心しているようにも見える。
ダウは続伸し取引終了にかけて上げ幅を拡大し1万8千の大台を回復して終えている。
ナスダックはアップル決算のショックを引きずり軟調。5日続落。
日経先物(左) /上海総合 (右)
日経平均株価 終値 17,666.05(-624.44)
始値 17,438.99
高値 17,572.27
安値 17,652.74
出来高 23億3077万株
日経225先物 終値 16,500(-770)
始値 17,470
高値 17,580
安値 16,500
出来高 115,556枚日経平均は大幅続落。
先物は200円GUで始まり、日銀金融政策決定会合での追加緩和期待から序盤はじり高の展開に。
市場コンセンサスとしてプレッシャーを与えるかのような異様なまでの追加緩和観測は高値売りを誘うものでもあったのだろう。
会合の回数を減らし、結果発表の開始時刻も非公表になってからは思惑がより交錯するが、本日はこれまでのサプライズのように遅れることなく12時直後の現状維持決定。
発表後、棒下げ商状で17,600円目前の高値圏から一気に16,600円までほぼ千円幅を瞬間移動。為替はドル円で朝方の1ドル111.80円から108.70円台まで3円以上の円高が進行した。
現物の裁定も昼休みの乖離でついていけず、更に一時安値16,540円まで突っ込む場面もあったが、現物の後場開始とともに急速に下げ渋る場面も。
ただ、底値から実に380円もリバウンドするが、発表前からの急落を埋め戻すには至らず、結局引けにかけて売り込まれ、引けピンの安値引けで終えている。
大引けは16,500円をつけ、高安1,080円幅を記録。
リーマン・ショックや連日でサーキットブレーカーを発動した震災時を彷彿とさせるが、前日比では先物で770円安と千円内に収まっている。
場中の高安で千円以上の大往来はもはや珍しくなく、直近においては2015年8月25日の高安1,180円幅、2016年1月29日の高安1,110円が記憶に新しい。2015年12月18日の高安940円も含めるとこの1年以内に立て続けに千円幅級の往来劇が繰り返されており、もはや珍しくなくもなく慣れっこになってしまった。
これでサーキットブレーカーの発動もあればもっと荒れたのだろうが、意外や素直な下落で取引を終了。今回の日米の金融政策イベントは黒田日銀総裁とイエレンFRB議長とで市場とのコミュニケーションの取り方の違いが如実に表れた格好。
黒田バズーカはこれまで例に漏れずすべてサプライズ効果を演出してきており、今回のように催促されて撃つのはさけるべきだったのだろう。
やるぞと言って出尽くしパターンとなるドラギマジックと三者三様。
そもそも1月末に第三弾を撃ったばかり。
穏当な結果ともいえる。
実際4月3週に外国人が3,700億円買い越していた割には現物、先物ともに裁定解消売りも限定的。
出来高は11万枚で通常時よりは膨らんではいるがパニックというほどではない。
皆が括目して待っていたものの、高値売りを誘った筋の話も出てくるくらいだからこれも予定調和ということか。
手薬煉引いて待っていた甲斐があったというもの。
夏の大往来相場のような駄目押しの売り崩しを期待していたが贅沢はいえない。
まさに最大のリスクはチャンスなのにエントリーしないこと。
これだけの出来高であればまだ十分。
生き馬の目を抜く相場の世界にあって、やはり戦略がものを言う。まさにリスク回避の妙を目の当たりにさせてもらった気がした。
終日売りスタンスだったが、頭と尻尾はくれてやって何とか及第点。
よいGWを。
本日の損益
デイ +210円(5枚)
寄り引け 売り +970円(1枚)
現在の資金
577,140,000円 (+2,020,000円)※手数料考慮せず