米FOMC通過 嵐の前の静寂か パウエル・ショックを回避しつつも金融政策転換へ大きく一歩前進
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米国市場は続急落。
米FOMCの結果公表後のパウエルFRB議長の会見が始まると波乱含みの展開に。
現状維持決定としつつも2023年末までに2回の利上げを示唆。
想定より早いタカ派的内容を打ち出してきただけに、市場は一時リスクオフに傾いた。
しかし、これまで24年以降に見込まれていた利上げ観測が明確に前倒しされた格好。
今のITバブル崩壊前を彷彿とさせる状況にある中で、金融政策の正常化をより早期に実施するというメッセージはバブル崩壊を防ぐ為の大きな一歩前進ともいえようか。
テーパリングについて「議論するための議論」を今回の会合で開始したとし、既に織り込まれている将来的な利上げをオブラードに包むかのように言及するあたりは、市場との対話への慎重さがうかがえる。
日経先物(左) /上海総合 (右)
日経平均株価 終値 29,018.33(-272.68)
始値 29,149.34
高値 29,197.68
安値 29,875.39
日経225先物 終値 29,000(-250)
始値 29,150
高値 29,210
安値 28,820
出来高 31,262枚
日経平均は続急落。
先物は100円GDで始まり、間もなく棒下げ商状から急速に下げ幅を拡大。
2万9千円の大台をあっさり割り込むと、棒下げは一服するが、その後もじりじりと下値を切り下げ、一時安値28,820円まで突っ込む場面も。
しかし、午後には一転して下げ渋って推移。
引けにかけて巻き戻し騰勢となるが、結局朝方の高値には及ばず、半値戻し程度まで買い戻されるにとどまり、本日の取引を終えている。
頭と尻尾はくれてやりながらも何とか及第点。
終日短期回転が奏功。
今回の米FOMCにより量的緩和縮小方向へと明確に舵を切ったことは大きく、ネガティブサプライズになりそうなものを、パウエル・ショックは最小限に抑えられたかに見えるが、はたしてどうか。
2013年の5.23ショックの際には、千円以上の超大幅な急落があったことはまだ記憶に新しい。
思えば2013年5月23日、あの日は高値に買い上げられてからの急落という大往来で、出来高は32万枚を超えていた。
一般には当時のバーナンキFRB議長が前日の議会証言で緩和縮小を示唆したことが遠因にあるとされるが、翌朝の日本市場は朝からネガティブな反応はなくむしろ高値圏を推移していた。前日5月22日のリスクオンの余韻すらあった。
あの日の地合いをまだ鮮明に覚えているが、バーナンキ・ショックと呼ばれるものではなく、単純にアノマリーや需給要因によるところが大きい。
バーナンキ氏の発言自体でショック安になったことはなく、超大幅GDで始まることもなかった。むしろ朝高の展開だったことから、抜群のタイミングで売り仕掛けが入ったことにより、落差が際立つ特筆すべき一日となったのである。
今回のFOMCでもパウエル議長の発言自体に大きなショックはなかったものの、その先例があるだけに無事通過といえるかは、まだいささか不透明。
ジャクソンホールまでの布石を打つ過程でまだ予断は許されず、さしずめ嵐の前の静けさといったところだろうか。
できれば大いなる波乱に期待したいところだが、はてさて。本日の損益
デイ +150円(10枚)
現在の資金
1,033,820,000円 (+1,500,000円)※手数料考慮せず