植田新体制発足後初めての市場対話奏功例に 日銀がYCC政策を修正 高安幅850円の大往来も事前リークによりショックを緩和か ダウは史上最長の連騰記録更新ならず
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米国市場は反落。
前日まで続伸記録の史上最長タイ記録に並ぶ13連騰を続けたダウは遂に連騰ストップ。
14日ぶりの反落で、237ドル安の一服感。
126年ぶりとなる歴代最長の14連騰は実現せず。
ナスダックも小幅ながら続落。
前日まで続伸記録の史上最長タイ記録に並ぶ13連騰を続けたダウは遂に連騰ストップ。
14日ぶりの反落で、237ドル安の一服感。
126年ぶりとなる歴代最長の14連騰は実現せず。
ナスダックも小幅ながら続落。
日経先物(左) /上海総合 (右)
日経平均株価 終値 32,759.23(-131.93)
始値 32,444.42
高値 32,846.97
安値 32,037.55
日経225先物 終値 32,770(-150)
始値 32,490
高値 32,850
安値 32,000
出来高 93,191枚
日経平均は反落。
先物は430円GDでスタート。
日銀金融政策決定会合を控える本日未明、ナイト時間の午前2時すぎに日経新聞による日銀の政策修正観測を受け、先物は高値から800円の急落、為替は138円台乗せまで円高が急進していた。
前日の大幅高に加えてナイト時間にも上値追いが進行中だったが、ナイト高値でもあった33,220円から棒下げ商状による800円の急落。日中の上昇分が綺麗さっぱりと帳消しに。
しかし、逆に言えば日中の朝方水準に戻しただけにとどまっていた。
既に地ならしが整っていたのである。
既に地ならしが整っていたのである。
これが植田新体制からのメッセージだとすれば、サプライズによるショック緩和を狙う市場への配慮がうかがえる。
現状維持を織り込んだリスクオン先行に冷や水を浴びせられた格好ではあったが、仕切り直しで迎えた今朝は、前日始値と同値の32,490円で始まった。
序盤は激しく売り買いが交錯し、一巡後は三角保ち合いの様相を呈する展開。市場参加者が刮目して見守る中、発表されたのは通常時の正午よりやや遅れての12時半前。
日銀会合は全会一致が原則。反対意見があれば議論が尽くされるまで時間がかかり、過去の経験則から遅れればサプライズ発表になることが多い。
今回は事前にリークがあったことからも発表直後は買いが先行。
大規模緩和策自体は据え置きの現状維持としつつ、件のYCC(イールドカーブコントロール)については長期金利の誘導目標を柔軟化させるものとし、市場に委ねる方針に転換。
前回修正時に0.5%まで押さえ込みを拡大したものを更に1.0%まで拡大することを容認し、事実上の政策修正を決定したことになる。発表後10分程度で、長期金利は一時0.575%超まで上昇。
2014年9月以来、約8年10ヵ月ぶりの高水準に達した。
先物は一時高値32,850円まで上昇する場面もあったが、植田総裁の会見までその解釈をめぐって混乱が予想されていたので、ほぼ想定シナリオ通りの展開に。
一時安値32,000円まで突っ込む場面もあったが、結局切り返して取引を終了。
発表直後の高値には届かなかったものの、本日の高値圏を維持して引けている。
既に前ナイト時間に800円下げていた分、結局下落幅は150円安にとどまった。
前日までは政策修正なしとの見方が大勢だっただけに、もし事前報道がなければ、前任の黒田総裁が行ったYCC修正時のようにネガティブサプライズとなっていたと思われる。
実際、このパターンは米FRBパウエル議長をはじめ歴代議長もよく行うやり方で、事前に連銀総裁の発言や番記者へのリークによって利上げや見通しを徐々に織り込ませつつ市場対話していく姿勢と似ている。
実際、このパターンは米FRBパウエル議長をはじめ歴代議長もよく行うやり方で、事前に連銀総裁の発言や番記者へのリークによって利上げや見通しを徐々に織り込ませつつ市場対話していく姿勢と似ている。
黒田前総裁による政策修正時にはいつも不意打ちのバズーカ砲が多かっただけに、植田総裁就任当初もそのスタンスを踏襲するのではないかと警戒されていたものである。
就任後2回の会合では前体制の方針を踏襲する発言ばかりで、黒田色との違いが判然とせず、サプライズ発表すれば同じ轍を踏むことになったことは想像に難くない。
結局それが植田節として定着するかに思われていたのである。
就任後2回の会合では前体制の方針を踏襲する発言ばかりで、黒田色との違いが判然とせず、サプライズ発表すれば同じ轍を踏むことになったことは想像に難くない。
結局それが植田節として定着するかに思われていたのである。
しかし、そうはいっても長期金利政策はその性質上、事前に漏らせば債券市場に影響を与えてしまう為、本来はサプライズ発表せざるを得ないのだろうが、不意打ちが多ければ強欲な市場は疑心暗鬼になり、期待買いや失望売りを勝手に進めてしまうのが常だった。
その意味でもYCCの修正、撤廃は、歴史に残る方針転換で就任後早々に片付けるべき大仕事だったはず。
就任前の会見や所信聴取では、市場との対話を重視する意向を示していたわけで、その手腕が期待されていたが、ここにきてようやく本領発揮。
大規模緩和は相変わらずも継続だが、少なくとも会合結果の発表スタイルに限っていえば、前体制と違うスタンスだということが示された格好に。
就任前の会見や所信聴取では、市場との対話を重視する意向を示していたわけで、その手腕が期待されていたが、ここにきてようやく本領発揮。
大規模緩和は相変わらずも継続だが、少なくとも会合結果の発表スタイルに限っていえば、前体制と違うスタンスだということが示された格好に。
市場を混乱させずにここまで時間がかかったのはタイミングの見極めに相当腐心されたに違いない。
今回は植田総裁によるハンドリング、ショック緩和対策が奏功した好例になったといえる。
その意味で、今後の日銀イベントを占う上でも新たな歴史の始まりといえるかもしれない。
高安幅は実に850円に及び、大波乱には違いないが、もしバズーカ砲を連発してきた黒田前総裁のように完全な不意打ちだったら1200円以上は下げていた可能性が高い。
一瞬で千円動いてきたこれまでの日銀ショックに比べれば無事通過といっても過言ではない。
今回も下手ながら何とか及第点か。
頭と尻尾をくれていやりながら、終日短期回転が奏功した。
まさに生き馬の目を抜く相場の世界にあって、リスク回避、情報戦の妙を目の当たりに。
空中戦が繰り広げられる中での見事なイベントドリブン。
絶好のデイトレ日和になったといえる。
まさに今の運用方法を得られたありがたさ、イベントドリブンも含め、改めて戦略の大切さを痛感する今日この頃。
中銀イベントを一通り通過し、まずは小休止。
来週からはいよいよ8月相場入り。
小康を得て、準備を整えながら更なるチャンスを待ちたいところ。
相場の転換点となりやすいジャクソンホールを控える月でもあるが、夏枯れ相場を吹き飛ばす更なるボラタイルな攻防に期待したい。本日の損益
デイ +620円(10枚)増し玉合算
現在の資金
1,720,620,000円 (+6,200,000円)※手数料考慮せず