ITバブル崩壊時を彷彿 投資筋のポジション巻き戻し調整加速か 日経平均は史上2番目となる2千円超の下落幅 先物ナイトセッションでは米雇用統計後に3万4千円台にまで下放れ
米国市場は急反落。
米経済指標の悪化を受けて景気後退懸念を口実に投機筋によるポジション巻き戻しが加速か。
9月利下げがほぼ確実の見通しとなれば、むしろこれまではこれを好感して上げてきただけに、ようやく実体経済に根差した調整が入った格好に。
日経先物(左) /上海総合 (右)
日経平均株価 終値 35,909.70(-2,216.63)
始値 37,444.17
高値 37,471.52
安値 35,880.15
日経225先物 終値 35,920(-2,030)
始値 36,660
高値 36,670
安値 35,800
出来高 73,378枚
日経平均は一時2千円超下げた後、終値でも2,216円安の続急落。
3万6千円を割り込んで引けている。3万5千円台は今年2月以来、6ヵ月ぶりとなる。
ナイトに入っては米雇用統計後に3万4千円台にまで更に下放れしている。
日経平均株価が終値ベースで1,500円以上の下げ幅を記録したのはITバブル崩壊初期で記録した2000年4月17日の1,426円安以来。
今の4万円の値嵩での2千円安とは同列に語れないものの、それでも史上2番目の下げ幅を記録。
歴代1位はブラックマンデー翌日に記録した1987年10月20日の3836.48円安。
直近では新型コロナウィルスによる脅威が顕在化した2020年3月9日の1,050.99円安(先物1,300円安)、同年同月13日には日中夜間通して実に2千円超の高安幅を記録したのはまだ記憶に新しい。
ただ、コロナによる下げは短期的なリスクオフで、僅か1ヵ月でその下げの大半を埋め戻していたが、今回の下げは果たして同じようにすぐに戻すだろうか。
日経平均は7月11日に42,224.02円をつけ史上最高値を更新したが、僅か3週間余りで6千円以上の暴落中。
年初からのAI半導体関連を中心とした実力以上に先高期待だけで高騰するさまは、まさにバブル相場そのもの。
日本でもヤフー株が1億円を超えて話題となり連日ニュースを賑わせていたので株式投資をしていない人でも記憶している人が多いかもしれない。
今年のエヌビディアが時価総額首位に躍り出たニュースをはじめとしたAI半導体株の高騰劇がそれに重なる。
上がり方も下げの初動も2000年当時のITバブル崩壊時を彷彿とさせるほどに酷似している。
あれから実力を伴って回復するのにダウで6年かかっているが、震源地でもあるハイテク中心のナスダックとともに日経平均がITバブル時の高値を回復するまで実に15年もかかっている。
それでもアベノミクス、金融緩和あっての株価であり、実力を伴った株価だったわけではない。
そもそも日米金利差だけを理由に円安になっていたわけではなく、投機筋による円売りも大きい。
日経平均が4万円になるのはいわば当然の成り行きだったかもしれない。
2022年12月にYCC修正、今年3月にマイナス金利を解除したが、それでもまだゼロ金利状態。投機筋は高をくくって円売りからシフトしなかった。
そんな中、前回会合で0.25%利上げしたところで金利差は誤差の範疇といえるはず。
しかし、今月のオプションSQ、米CPIのイベントドリブン後には円売り投機筋のシフトチェンジが行われていた。
さらにここにきて植田総裁の会見で追加利上げも否定しない引き締め方針姿勢が明らかになると、これまで高をくくってきた円売り主体は掌を返した格好に。
もし円安バブル効果だけで上げてきたとすれば、株価はスピード調整だけでは済まされない。
押し目など長い下り坂から転げ落ちる途中にすぎないが、バブル崩壊直後は誰もバブルだと気づかないもの。
実体経済に根差した上昇に対する健全な調整なら絶好の買い場となるが、まだまだセリングクライマックスを見るまでは予断は許されない。
今年は新NISAマネーの下支えもあり、案外投げらしい投げもなく早く戻してしまうかもしれないが、もう一波乱にも期待したいところ。果たして如何。
運用方法を間違えなければこれほどの好機はない。
情報戦の妙ともいうべきで、情勢に応じた利益確定方法、外国人動向、情報がものをいう相場であることを改めて痛感。
連日の急落はまさに溜飲が下がる思いがした。
下手ながら、上下に頭と尻尾をくれてやり何とか及第点か。
終日売りスタンスが奏功した。
デイ +360円(10枚)
SA +280円(10枚)増し玉合算
現在の資金
2,356,350,000円 (+6,400,000円)※手数料考慮せず